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法律情報
2010.5.10
遺留分減殺請求の相手方
1 遺留分減殺請求の相手方
遺留分減殺請求の相手方は、受遺者、受贈者それらの包括承継人となります。遺留分減殺請求権の行使の前に受遺者または受贈者が目的物を第三者に譲渡した場合、第三者が譲渡時において、遺留分権利者に損害を加えることを知っていたときに限り、当該第三者に対し、遺留分減殺請求を行うことができます(民法1040条1項ただし書き)。
2 価額弁償の請求
受遺者または受贈者の目的物の譲渡が遺留分減殺請求権の行使の前に行われた場合で、第三者が譲渡時において、遺留分権利者に損害を加えることを知らなかったときには、受遺者または受贈者に対して価額弁償の請求ができるにとどまります(民法1040条1項、同項類推、最高裁平成10年3月10日判決)。
また、受遺者または受贈者から価額弁償(民法1041条1項)の意思表示がなされた場合、遺留分権利者は、受遺者または受贈者に対し価額弁償を請求できると解されています(最高裁昭和51年8月30日判決)。
3 価額弁償の評価の基準時について
(1)受遺者等が目的物を処分した場合
受贈者が第三者に目的物を譲渡した事案につき、東京地裁昭和63年2月29日判決は、目的物の処分時を評価の基準時としています。また、受遺者が第三者に目的物を譲渡した事案につき、最高裁平成10年3月10日判決は、「遺留分権利者が減殺請求権の行使により当該遺贈の目的につき取得すべきであった権利の処分額が客観的に相当と認められるものであった場合には、その額を基準とすべきものと解するのが相当である」としています。
そのため、価額弁償の評価は目的物の処分時を基準として行い、原則として処分価額が目的物の評価として尊重されると考えられます。
(2)受遺者等が価額弁償の意思表示を行った場合
最高裁昭和51年8月30日は、「価額弁償における価額算定の基準時は、現実に弁償がされる時であり、遺留分権利者において当該価額弁償を請求する訴訟にあっては現実に弁償がされる時に最も接着した時点としての事実審口頭弁論終結の時であると解するのが相当である」として価額弁償がなされる時点を価額弁償の評価の基準時としています。
4 遺留分減殺請求後目的物譲渡がなされた場合
遺留分減殺請求権の行使の後に受遺者または受贈者が目的物を第三者に譲渡した場合には、遺留分権利者は受遺者または受贈者に対して不法行為に基づく損害賠償請求ができると解されます(神戸地裁平成3年10月23日判決、大阪高裁昭和49年12月19日判決)。
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